2022/04/29

仙遊霞

  この楽曲は一名「仙人河」「仙人歌」とも「仙神歌」ともいうみたいです。「せんゆうが」と「か」を濁って発音する場合もあるんだそうです。

 「大日本史」は、「随書」の煬帝が白明達に神仙をとどめる曲と仙遊霞を創らしめた」を引いて、「音相近く、恐らく此の曲であろう」と述べられている。

 「教訓抄」に、「この曲は、齋宮群行の折、勢田の橋上にて、楽人参向の時に之を演奏する」記し、「吉野楽所」にも、同じく「齋宮が伊勢へ下る時に勢田橋にて奏する楽であるから、人の別れなどの時に奏してはいけない」と述べられている。

 「源氏物語」では、朱雀院の五十のお祝いの時に、皇太子達があでやかに舞を舞うが、舞人が山の南方から前庭に現れるときに、この曲を奏したと記されている。

 この曲は、なんというか、特徴が無いというか、あまりメリハリが無い楽曲のように思いますんで、演奏しててもあまり楽しく無いというのが私の感想です。

 曲にはそれぞれ意味や成り立ちがありますんで、そこらへんを理解してないと演奏の楽しみも半減してしまいそうな気はします。